手組(読み)テグミ

デジタル大辞泉 「手組」の意味・読み・例文・類語

て‐ぐみ【手組(み)】

手で組むこと。「手組みゲラ
軍陣で、数人で組をつくること。隊を組むこと。
三人―して寄る所を」〈保元・下〉
仲間連中
「いつもの―の客まじりに」〈浮・男色大鑑・七〉
物事を行うための手はず。段取り。
「―はかうと智恵のありたけふるひけるに」〈浮・御前義経記・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「手組」の意味・読み・例文・類語

て‐ぐみ【手組】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 部隊を組むこと。部隊の編制。また、編制して一組となること。組んでことにあたること。
    1. [初出の実例]「三人手組(テグミ)してよる所を、三人ながらかい爴(つかん)で」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)下)
  3. なかま。同類。連中。
    1. [初出の実例]「伊藤は古今の色酒振同じ手組(テグミ)の客にして」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)六)
  4. 物事に取りかかるためのだんどり。手はず。
    1. [初出の実例]「此粉川衆は〈略〉、日根野両村を自此口出張而可焼立之由手組也」(出典:政基公旅引付‐永正元年(1504)四月五日)
  5. 能や長唄囃子(はやし)で、一定の打音と掛け声を、一定の拍(はく)に組み立てたもの。
  6. ( 機械などを使わないで ) 人間の手で組むこと。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の手組の言及

【頭組】より

…能や長唄の用語で,打楽器の手組(てくみ)の一種。一定の打音と掛声とが一定の順序に配列されたものを手組といい,打楽器の楽句を構成する最小単位であるが,その性格(用途)によって,地ノ類,頭組ノ類,手ノ類などに分けられる。…

【手】より

… 音楽では,(ふし)が声楽面についていうのに対して,手は器楽面についていうことが多く,手付(てつけ)(器楽部分の作曲・編曲。節付に対する),手組(てぐみ)(リズム型ないしその組合せ),手事(てごと),合の手本手(ほんて)と破手(はで)(派手),本手と替手(かえて)などの派生語を生ずる。本手・破手は,三味線組歌における本手組・破手組といった分類の基準となる技法をいい,結果的には声楽面にも及んでいい,本手といって三味線組歌そのものをいうこともある。…

※「手組」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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