打切(読み)ウチキリ

デジタル大辞泉 「打切」の意味・読み・例文・類語

うち‐きり【打(ち)切(り)】

途中でやめにすること。中止。「審議打ち切りにする」
碁・花札などを、打ち終わること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打切」の意味・読み・例文・類語

うち‐きり【打切】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事を途中でいったん終わりにすること。やめにすること。中止。
    1. [初出の実例]「此話も〈略〉一先づ此所で打切りに致します」(出典:塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉一八)
  3. 物事のいちばん終わり。最後。
    1. [初出の実例]「打ち切りの怪談が終ると同時に」(出典:あの道この道(1928)〈十一谷義三郎〉二)
  4. 能楽で、太鼓、大・小鼓を打つ手くばりの一種。謡(うたい)拍子を整えたり、気分を変えたりして、能の流れを軽く引き締めるはたらきをする。
    1. [初出の実例]「打切は一拍子也」(出典:わらんべ草(1660)四)
  5. 花合(はなあわせ)で、手に持った札(ふだ)を残らず打ち終えること。
  6. 囲碁で、勝負の決着がつくまで打ってしまうこと。
  7. 下級売春婦
    1. [初出の実例]「もし女の化物(ばけもの)が出たら、〈略〉打切買ったと思うて」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)四)
  8. 漁獲方法の一種。川を簀(す)でせき止め、その下に魚をとるかごを並べて魚を落とし込むようにしたもの。〔随筆北越雪譜(1836‐42)〕

ぶっ‐きり【打切】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) たちきること。とぎれること。また、ぶっきらぼうなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「前後し前後し書くにも、あまりにぶっきりに、継いだるやうには有まじき所をこころふべし」(出典:申楽談儀(1430)能書く様、その二)
  3. ぶっきりあめ(打切飴)」の略。
    1. [初出の実例]「一貫がぶっ切りを買ふ鬼子母神」(出典:雑俳・柳多留‐四八(1809))

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