打合(読み)うちあわせ

精選版 日本国語大辞典 「打合」の意味・読み・例文・類語

うち‐あわせ‥あはせ【打合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物と物とをうまく合うようにすること。似合っていること。
    1. [初出の実例]「うち合せの夫婦とはなりける」(出典:俳諧・鶉衣(1727‐79)前)
  3. 能楽で、両手を大きく左右に広げてから前でハタと打ち合わせる型。
  4. 楽器を合奏すること。
    1. (イ) 雅楽で、打ち物だけの合奏。
    2. (ロ) 三味線などの演奏で同一または類似の旋律を、半拍または一拍ぐらいずらして合奏すること。
      1. [初出の実例]「胡弓、尺八の打合(ウチアハ)せよろしくあって」(出典:歌舞伎・曾我綉侠御所染(御所五郎蔵)(1864)六幕)
    3. (ハ) 箏曲(そうきょく)や地唄で別の曲を合奏すること。全曲の場合と、曲の一部分だけの場合の二種がある。前者には「八千代獅子」と「万歳獅子」、「れん木」と「すり鉢」など、後者には「萩の露」と「磯千鳥」のちらしの部分などがある。
      1. [初出の実例]「あの琴の打合せも、定めし東京のお客であらう」(出典:歌舞伎・木間星箱根鹿笛(1880)二幕)
  5. 前もって相談しておくこと。下相談。
    1. [初出の実例]「おほやけの打合せも済みて、取調も次第に捗り行けば」(出典:舞姫(1890)〈森鴎外〉)
  6. ジャケットコートなど洋服類の身頃の左右の重ねが合ったところ。うちあい。

ぶち‐あい‥あひ【打合】

  1. 〘 名詞 〙 なぐり合うこと。うちあい。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android