折紙付(読み)おりがみつき

精選版 日本国語大辞典 「折紙付」の意味・読み・例文・類語

おりがみ‐つきをりがみ‥【折紙付】

  1. 〘 名詞 〙 鑑定結果を証明する折紙が付いていること。転じて、そのように、事物価値人物力量資格などが、保証するに足りるという定評のあること。また、武芸技芸などで、一定の資格を得た人。悪い意味にもいうことがある。
    1. [初出の実例]「一物売り・延べの折紙付を出す」(出典:雑俳・伊勢冠付(1772‐1817))
    2. 「『〈略〉出所がしっかりして居ますから、折紙つきですから』と父親は頻(しき)りに弁解した」(出典田舎教師(1909)〈田山花袋〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の折紙付の言及

【折紙】より

…室町から戦国時代にかけて室町幕府奉行人奉書をはじめ,武家の文書としてしばしば用いられるが,いずれにしても竪紙に対する略式のものである。近世に入ると刀剣,書画,骨董などの鑑定書にも用いられ,〈折紙付き〉という言葉も生まれた(極書(きわめがき))。なお,一紙の料紙を竪に半分に折って使う竪折紙という使用法もあり,かなの文書に多く用いられている。…

【鑑定】より

…桃山時代,刀剣の鑑定には本阿弥家(本阿弥光悦)が,書跡では古筆家(古筆了佐)が登場する。鑑定の証明には折紙が用いられ〈折紙付き〉の称がおこる。刀剣の銘鑑や古筆の手鑑(てかがみ)の集録もこのころから始まっている。…

【極書】より

…2代了栄によって極印は琴山印(方印)を表印,栄字印(小判形)を裏印と制定して骨董界に君臨した。室町時代の鑑定書は外題(げだい)と称し,それには画題,筆者の雅号,鑑定者の署名を記して折紙(おりがみ)の様式をとったので,言葉として物の保証を〈折紙付き〉と称したほどである。近世の古筆家は営業として鑑定を行ったもので,その鑑定の学術的信頼性はきわめて低い。…

※「折紙付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」