延べ(読み)ノベ

デジタル大辞泉 「延べ」の意味・読み・例文・類語

のべ【延べ】

ひらたく延ばされたもの。特に、延べ金・延べ銀をいう。「延べの指環」
同一のものがいくつ重複しても、それぞれ一つとして数え合計すること。「延べにすると週に一〇〇人の動員になる」「延べ二〇〇平方メートルの床面積」「延べ千時間に及ぶフライト
期日・期間を延ばすこと。「日延べ
延べ取引」の略。
延べ紙」の略。
「―の鼻紙ひざ近く置きて」〈浮・一代女・一〉
[類語]合計総計集計合算総和小計累計通算通計積算推計トータル締め

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「延べ」の意味・読み・例文・類語

のべ【延・伸】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「のべる(延)」の連用形の名詞化 ) のばすこと、また、のばしたもの。
  2. ひらたくのばしたもの。特に、延金をいう。
    1. [初出の実例]「その鍔の地を笹なり菊なりにうすくほり、それへ金の延(ノベ)をその形(なり)に切いれて」(出典:万金産業袋(1732)二)
  3. のべギセル(延━)」の略。
    1. [初出の実例]「新造一服吹附(すひつ)けて華魁に出すと延煙管(ノベ)だから重い」(出典:落語殿様の廓通ひ(1890)〈禽語楼小さん〉)
  4. 同一のものがいくつ重複しても、それぞれ一つとして数えて合計すること。接頭語的にも用いる。「二階建の家ののべ坪」「必要なのべ人員」など。
  5. 謡曲の節扱いの一つ。字音を引きのばし、間をもたせて謡うこと。
    1. [初出の実例]「一のべ〔さきへやる〕一ちぢめ〔さきをまへへ〕」(出典:わらんべ草(1660)二)
  6. 期日・期間などをのばすこと。
    1. [初出の実例]「先あすの事は、のべにやらせられひと云」(出典:天理本狂言・箕被(室町末‐近世初))
  7. 駒下駄の背面を凹に彫ること。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕
  8. のべがみ(延紙)」の略。
    1. [初出の実例]「はな紙はのべを二三でうおしおり」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)二)
  9. のべとりひき(延取引)」の略。

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