抜書(読み)ヌキガキ

精選版 日本国語大辞典 「抜書」の意味・読み・例文・類語

ぬき‐がき【抜書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 必要な部分を抜き出して書くこと。また、その書いたもの。書き抜き。
    1. [初出の実例]「抜書、一ケ条分 已上」(出典:能序破急事(1418))
    2. 「以上で、『昭和十年代』の前夜までの日記の抜き書きを終る」(出典:人間横光利一(1955)〈中島健蔵〉)
  3. 演劇で、一人の役者の受け持つ部分だけを抜き出して書いた略式台本。書き抜き。
    1. [初出の実例]「初日〈略〉役者衆中は書抜(ヌキガキ)をくり」(出典:楽屋図会拾遺(1802)下)
  4. ( ━する ) 原本から抜き出した部分をまとめて、他の作品とすること。
    1. [初出の実例]「或は故人の小説物を飜案(ヌキガキ)(なせ)し部分(たぐひ)にあらず」(出典:春雨文庫(1876‐82)〈松村春輔〉序)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android