かき‐ぬき【書抜】
- 〘 名詞 〙
- ① 文章の一部分や要点などを、別に写しとること。また、その写しとったもの。ぬきがき。抜粋。
- [初出の実例]「集などにも、かきぬきにもいらぬといへり」(出典:兼載雑談(1510頃))
- ② 演劇や映画で、台本の中から一人一人の俳優のせりふを別に書き抜いたもの。
- [初出の実例]「アリャアリャの書抜をよむはやし町」(出典:雑俳・柳多留‐一〇七(1829))
- ③ 幾つかの物の中で、特にすぐれたもの。ぬきんでたもの。
- [初出の実例]「是則商売人の高点書抜(カキヌキ)とやらんにまさりての手柄にて御座候」(出典:談義本・教訓続下手談義(1753)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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書抜 (かきぬき)
歌舞伎用語。台帳の中から俳優ひとりひとりのせりふを書き抜いて,1幕1冊に綴じたもの。江戸では〈かきぬき〉,上方では〈せりふがき〉という。本読みが終わり,〈書抜の日〉に作者部屋の者が抜書をはじめる。書抜を俳優が受け取ることは,その役の承諾を意味する。江戸と上方では書式の相違があるが,表紙中央に〈……の書抜〉と題し,立者(たてもの)は俳名,その他は名を書く。裏には〈大々叶〉と書く習慣である。
執筆者:土田 衞
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書抜
かきぬき
歌舞伎用語。脚本のうちで,俳優ごとにそれぞれの配役の担当するせりふだけを書抜いたもの。狂言方が作成する。京坂では台詞書 (せりふがき) という。半紙二つ折に6行ずつ,名題下 (下級) の俳優には7行に記し,1幕1冊ずつに綴じ,表で結ぶのが法。書抜を受取ることは役の承諾を意味する約束があり,その形式,取扱いともに芝居の故実が生きている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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