持福院(読み)じふくいん

日本歴史地名大系 「持福院」の解説

持福院
じふくいん

[現在地名]内原町鯉淵

古矢こや川と涸沼前ひぬままえ川に向かって突出た台地の先端部に位置する。天台宗で、正法山観音寺と号する。本尊は十一面観音。栗崎くりざき(現常澄村)仏性ぶつしよう寺の僧が当地で発願し開基したと伝え、同寺の末であった。創建の時期は不明であるが、一説に佐竹氏の秋田移封後とされる。寺伝によると初期には正法山寺福院と号したが、享保年間(一七一六―三六)に村内の崩れ橋くずればしにあった観音寺を併せてから現寺号を称したという。観音寺の創建時期は不明であるが、和光院過去帳(和光院文書)の文禄五年(一五九六)にその名がみえ、「蔵田千軒くらたせんげん」や「長者屋敷」の伝説との関連が注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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