デジタル大辞泉 「振掛ける」の意味・読み・例文・類語 ふり‐か・ける【振(り)掛ける】 [動カ下一][文]ふりか・く[カ下二]1 上から振り散らしてかける。「胡麻ごまを―・ける」2 振っておおいかける。垂らしてかぶせる。「姫君これを聞きて、髪を―・けて泣くよりほかのことなし」〈今昔・一九・五〉[類語]撒く・蒔く・撒き散らす・振り撒く・ばら撒く・ぶっ掛ける・散布 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「振掛ける」の意味・読み・例文・類語 ふり‐か・ける【振掛・振懸】 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]ふりか・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙① 垂らしておおいかける。振っておおいかける。[初出の実例]「髪をふりかけてなくけはひ、ただかのむかし見給しもののけのさまとみえたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)② 粉末状の物を振って少しずつ物の上に落とす。まき散らして物の上にかける。散らしかける。[初出の実例]「畳綿の雪ふりかけたるやうなるが」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)③ はなやかに振舞う。[初出の実例]「皆色めきて振懸(フリカケ)、乗物つらせて押へに」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)八)④ 振り上げて肩に掛ける。荷物などを肩に掛ける。[初出の実例]「息が切れて、もう小鼓を肩に振懸ける力もない」(出典:湯島詣(1899)〈泉鏡花〉二九)⑤ 二つに分ける。振り分ける。[初出の実例]「座敷の日割勘定、見番払ひの昼夜には降(フリ)かけてもたらねへ金」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)三)⑥ 惜しまずに相手に与える。[初出の実例]「滑っこい癖にアクセントの強い言葉で、舌触の好い愛嬌を振(フ)り懸(カ)けてくれる折などは」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉停留所) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例