(読み)さばけ

精選版 日本国語大辞典 「捌」の意味・読み・例文・類語

さばけ【捌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さばける(捌)」の連用形名詞化 )
  2. 乱れたものがなおること。
  3. 売れること。売れゆき。
    1. [初出の実例]「イトノ sabake(サバケ)ガ ヨイ」(出典和英語林集成初版)(1867))
  4. ものわかりのよいこと。
    1. [初出の実例]「実お玉もお屋敷のも素人だから、さばけがわるからふと心配して居るのサ」(出典:人情本・春色籬の梅(1838‐40頃)二)

さばくり【捌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さばくる(捌)」の連用形の名詞化 )
  2. とりあつかうこと。とりはからうこと。処理すること。はからい。捌き。
    1. [初出の実例]「管絃の御さたは御てをくだしても御さばくりなかりけり」(出典:文机談(1283頃)三)
  3. もてあそぶこと。いじくりもてあそぶこと。
    1. [初出の実例]「花子と申し候ふ人は、〈略〉扇に好き朝夕扇さばくりをのみする人にて候ふほどに」(出典:謡曲・班女(1435頃))

はけ【捌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「はける(捌)」の連用形の名詞化 )
  2. 水などがとどこおりなく流れること。水がはけること。
  3. 商品が売れること。さばけること。
    1. [初出の実例]「一番売口の宜いのは狐ださうで、是は稲荷様(おいなりさま)の方でもはけが宜し」(出典:落語・今戸の狐(1892)〈三代目三遊亭円遊〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「捌」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] ハチ・ハツ
[字訓] えぶり・さばく・やつ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は別(べつ)。〔説文新附〕十二上に「方言に云ふ、齒無きの杷なり」とあり、穀物をかきさらえる「えぶり」。歯のないものが捌、歯のあるものは杷。これでものをかきわけるので、「さばく」意となる。証書の改を避けるため、八にこの字を用いる。

[訓義]
1. えぶり、さらえ。
2. かきとる、さばく、わける。
3. やぶる、うつ、ねじる。
4. 数の八。

[語系]
捌piat、(八)petは声義近く、いずれも両分する意がある。別biatは骨を別つ、捌はそれをふりわけることをいう。

[熟語]
捌格

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