捧沢寺(読み)ぼうたくじ

日本歴史地名大系 「捧沢寺」の解説

捧沢寺
ぼうたくじ

[現在地名]矢掛町東三成

鷲峰じぶう山の南面にある山上寺院。鷲峰山と号し、真言宗御室派、本尊聖観音開基聖徳太子開山は興正、本尊は空海作と伝える。寺蔵の本堂再建勧誘牒によれば元暦元年(一一八四)落雷により焼失したが、建久八年(一一九七)に再建、備中山岳仏教の中心寺院であったといわれる。元和五年(一六一九)には再び落雷により焼失、その後再建・修理を重ね、天保一四年(一八四三)には本堂を再建した。近世、寺領一五石、年貢地一〇石を有し(元禄二年「備中国幕府領村々覚帳」福武文書)、文久年間(一八六一―六四)には末寺二四ヵ寺を数え(西明院文書)、現矢掛町域の真言寺院には当寺末だったものが多い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android