日本古代,8世紀に存在した令外官。759年(天平宝字3)設置された。746年(天平18)に騎舎人を改称して置かれた授刀舎人(たちはきのとねり)を管理するもので,授刀舎人は,元来聖武天皇が皇太子阿倍内親王(のち孝謙天皇)の地位を擁護するために設置した,騎馬兵を主体とした内廷の武力であったと考えられる。聖武天皇の没後,756年(天平勝宝8),授刀舎人の定員を400人とし,中衛府に管轄せしめたが,新たに授刀衛を置き,授刀舎人を管理せしめたものと考えられる。この後,764年の恵美押勝の乱に,授刀衛の官人は孝謙上皇方にあって活躍し,乱後上皇が重祚して称徳天皇となると,その官人は各衛府の重要な地位を占めた。翌765年(天平神護1),授刀衛は近衛府(このえふ)と改称され,諸衛府中最高の地位と権力とを有する存在となった。
執筆者:笹山 晴生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…ほかに行幸時の警固,京中夜間の巡邏,犯罪人の追捕等が衛府の職務とされた。奈良時代を通じて中衛府,授刀衛,外衛府などが新設され,765年(天平神護1)には授刀衛が近衛府と改称,従来の五衛府の上に近・中・外の3衛が置かれ,八衛府となった。これら3衛は,皇位継承をめぐる政界内部の抗争に対応して生まれたが,その兵力は地方豪族,下級官人層を基盤とする舎人であり,農民出身の衛士の逃亡・無力化に対応する意味をもになっていた。…
※「授刀衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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