掛町(読み)かけまち

日本歴史地名大系 「掛町」の解説

掛町
かけまち

[現在地名]博多区古門戸町こもんどまち下川端町しもかわばたまち

東西に通る唐津街道に沿う両側町。西は麹屋番こうじやばん、東は綱場つなば町に続く。北は古門戸町ぎようノ町の通りに、南は片土居かたどい町と土居町下どいまちしもの通りで画される。唐津街道は当町から麹屋番にかけて浜側に湾曲し、南側は鋸の刃形を呈している。南裏を那珂なか(博多川)石堂いしどう(御笠川)を結ぶ溝(大水道)が流れる(福岡博多近隣古図)。掛ケ町とも記される。大水道はかつての入海の跡といい(「続風土記」など)、「入海ありし時は、此町の南方掛作りの家なりし故町の名と」したという(石城志)。また金沢某が居住したので「金沢番」とも称したという(石城遺聞)。慶長一五年(一六一〇)の御祓賦日記(神宮文庫蔵)に「かけ町」の二人の名がみえる。元禄三年(一六九〇)の家数二八(続風土記)。明和三年(一七六六)の家数二七・間数七四間余(石城志)


掛町
かけまち

[現在地名]臼杵市臼杵 掛町

城下の西部に位置し、臼杵川の河口右岸に沿う。南北二町余の細長い両側町を形成する。東は唐人とうじん町・はま町・よこ町。掛ノ町とも記された。当町北西角の船入り堀入口に川口番所が置かれ、唐人町・浜町・横町に通ずる小路の入口四ヵ所に木戸が設けられていた(幕末頃「臼杵城下絵図」臼杵図書館蔵)。文禄二年(一五九三)の臼杵庄惣町屋鋪検地帳写(渡辺家文書)に臼杵唐人町懸ノ町とみえ、高三三石余、屋敷地は五八筆、名請人は四四人。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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