改訂新版 世界大百科事典 「採金船」の意味・わかりやすい解説
採金船 (さいきんせん)
dredger
未固結の土砂の中に金粒を含む鉱床,いわゆる砂金鉱床の採掘に使用される船。河川敷など平たんで湧水の多い鉱床の一部を採掘して水をためて池をつくり,そこに,ラダーバケットやサクションポンプなどの採掘装置,比重選鉱機など採掘,選別のための装置を備えた船を浮かべ,船の周囲の土砂を水とともにとり入れ,金粒を船上で選別採取しながら池を前進させて採掘を行う方法で,アラスカやシベリアなどの産金地帯で盛んに使われるが,砂金のみでなく,スズや重砂(ルチル,ジルコン,モナザイトなどを含む)などの砂鉱床の採掘にも広く使われる。この場合はむしろ,浚渫船(しゆんせつせん)あるいはドレッジャーと呼ぶほうがよい。
執筆者:山口 梅太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報