地表で風化・浸食作用をうけて砂粒となった岩石や鉱物が,河川などの地表水や風により運搬される過程で,比重,形,風化に対する強度などによって淘汰・選別されて濃集し堆積した鉱床。代表的なものは,化学的に安定で比重の大きい金,白金,クロム鉄鉱,スズ石,モナザイトなどの鉱床である。鉱脈鉱床などに産する金は多少の銀を固溶していることが多いが,風化によって壊されて運ばれるうちに,銀分を失って純粋の金に近くなるとともに,いくつかの金粒が集まってしだいに大きな金粒~金塊となる。これらの金粒は比重が大きいため河床や海浜の流れの緩い所などにたまって鉱床をつくる。北米大陸開拓期にゴールドラッシュを起こしたカリフォルニア州の金鉱床はこの型のものである。また日本でも古くから有名な岩手県北上地方の金は,このような砂鉱床から採られたものである。モナザイトは希土類元素の資源として重要である。通常,ペグマタイトやフェルシックな火成岩に少量含まれているが,鉱床として稼行できるほどに濃集していることは比較的まれであり,これらの岩石の風化・浸食によって形成される砂鉱床がよく稼行される。
執筆者:島崎 英彦
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