浚渫船(読み)しゅんせつせん(英語表記)dredger

翻訳|dredger

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

浚渫船
しゅんせつせん
dredger

浚渫工事に従事する作業船の総称。サンドポンプで泥を吸上げるポンプ式,グラブを底に落して泥をつかむグラブ式,長い柄付きひしゃくのようなもので泥をすくうディッパー式,底開きの泥倉をもつホッパーつき浚渫船などがある。 19世紀なかばドイツで蒸気機関によるポンプ式浚渫船が完成したといわれるが,浚渫技術の開発は古くローマ時代や古代中国にさかのぼるというのが通説となっている。日本の場合,ポンプ式の出現によって浚渫船全体の能力のほとんどがポンプ船に依存するにいたっている。また船舶技術の進歩によって浚渫船の作業能力は非常に進歩し,自走力をもつ自航式のもののなかには時速十数 knの速力をもつものもある。船舶の大型化に対応した水深の確保や公害ヘドロの除却作業など,浚渫船が各地で活躍している。

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百科事典マイペディアの解説

浚渫船【しゅんせつせん】

ドレッジャーとも。水底の土砂を掘り取る〈浚渫〉を行う船。土質,水深,掘削すべき量,土砂を運搬する距離等により適した浚渫機を装置する。ポンプ浚渫船や,ドラグアーム先端のポンプで吸引するドラグサクション浚渫船,ディッパーアーム先端のバケットで掘削するディッパー浚渫船,バケットコンベヤで連続してすくい上げるバケット浚渫船,ジブクレーンとクラブバケットによるクラブ浚渫船等がある。
→関連項目建設機械

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅんせつせん【浚渫船 dredger】

ドレッジャーともいう。航路や泊地海底の浚渫,埋立てを行う船。作業場所の土質,土量,地形などによって各種形式の船が使い分けられる。(1)ドラグサクション浚渫船 大規模航路浚渫などに使用される。玄側,船尾,あるいは船底中央部に設けられたドラグアームを海底に着底させ,低速で曳引しながらアーム先端のドラグヘッドから土砂を浚渫ポンプで吸引し,船体中央部の泥倉に積み込む。硬土質浚渫用としてドラグヘッドに高圧水ジェットノズルを装備した例もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

浚渫船
しゅんせつせん
dredger

水底の土や砂を掘り取って水深を深くする船。浚渫専用の機械を備え、河川や港湾の工事に用いられる。浚渫方式により分類されているが、おもなものは次の4種である。
(1)ポンプ浚渫船 強力なポンプで吸込管から土砂を水とともに吸い上げ、水上に浮かせた排送管で陸上へ送る。吸込管の先端に、大きな石や木材などを吸い込まないように格子をつけ、また水底が固い場合には回転式のカッターを取り付けたりする。いろいろな土質に適するので、臨海工業用地の造成など大規模な埋立て工事に多く用いられる。
(2)ディッパー浚渫船 パワーショベルに似た柄杓(ひしゃく)型のディッパーで土砂をかき上げる。硬い岩盤を浚渫するために砕岩装置を取り付けることもある。掘削力が強く、硬い土質や岩石が多い港湾工事などに使われる。掘り取った土砂は土運船で陸上に運ぶ。ポンプ浚渫船とディッパー浚渫船は、ほとんどが推進装置のない非自航式である。
(3)グラブ浚渫船 グラブバケットを水底に落下させて土砂をつかみ上げる。浚渫能力は小さいが、小回りがきくので狭い場所の浚渫に便利である。また、土砂が不均質であったり、水深の変化が多い場合にもよく使用される。土砂を入れる船倉をもち自航するものもある。
(4)ドラグ・サクション浚渫船 船を走らせながら水底の土砂を吸い上げる。土砂は泥倉に入れ、泥倉がいっぱいになると捨土地まで航走し、泥倉の底の扉を開いて捨てる。[森田知治]

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精選版 日本国語大辞典の解説

しゅんせつ‐せん【浚渫船】

〘名〙 水底を浚渫するための機械を備えた船。
※船舶法施行細則(明治三二年)(1899)二条「浚渫船の推進器を有せざれば」

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