(読み)セツ

デジタル大辞泉 「摂」の意味・読み・例文・類語

せつ【摂〔攝〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]セツ(慣) ショウセフ)(呉)(漢) [訓]とる
いろいろ合わせ取り入れる。取り込む。「摂取摂生摂理包摂
事をあわせ行う。兼ねる。代行する。「摂行摂政兼摂
摂津せっつ国。「摂州
[名のり]おさむ・かぬ・かね

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「摂」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)攝
人名用漢字 21画

[字音] セツ・ショウ(セフ)
[字訓] ひく・とる・たすける

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は攝に作り、聶(しよう)声。〔説文〕十二上に「引きて持するなり」とあり、衣のすそをとって、整える意の字であろう。訓義多く、摂政・摂生・摂理・摂取など、他より取って、これを保持する意がある。

[訓義]
1. ひく、ひきよせる、ひきよせてもつ。
2. とる、とりもつ、かかげる、おさめる、ととのえる。
3. たすける、ただす、すべる、むすぶ。
4. やしなう。
5. かわる、かねる。
6. 懾と通じ、おそれる、おびやかす。

[古辞書の訓]
名義抄〕攝 ヲサム・スブ・スベテ・アツム・カヌ・トル・コソ・オソル・サシハサム・ヤシナフ・カイツクロフ・ツク・ツクロフ・タダス・カキヲサム 〔字鏡集〕攝 カキヲサム・ヤシナフ・アツム・スブ・ヒキモツ・サシハサム・スベテ・カイツクロフ・タダス・カヌ・トル・カネ・ツクロフ・ヲサム・オソル・ツクル・ウク

[語系]
攝siap、接tziapは声近く、接は神に接することを本義とする。攝はおそらく神意を受けてこれを保持し、摂受する意であろう。聶niap、njiapはささやく声、神の囁きを意味する字であろう。

[熟語]
摂衣・摂位摂威・摂影・摂衛・摂仮・摂官・摂御・摂境・摂兼摂検・摂行・摂魂摂賛摂斉・摂斎・摂次・摂事・摂持・摂主・摂受摂収・摂相・摂・摂政・摂進・摂生・摂制・摂然摂祚摂提摂殿摂統摂迫摂判・摂服・摂問摂揚・摂養・摂理摂療摂斂・摂録・摂
[下接語]
引摂・下摂・仮摂・管摂・居摂・兼摂・権摂・控摂・収摂・承摂・総摂・代摂・調摂・通摂・統摂摂・包摂

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【塑造】より

…製作年代のわかる遺品として,681年(天武9)ころ完成の当麻寺弥勒仏像,711年(和銅4)の法隆寺五重塔塑像群,同中門仁王像,天平年間(729‐749)製作の新薬師寺十二神将像などがあり,他に8世紀の遺品として,東大寺三月堂執金剛神像,日光・月光菩薩像,同戒壇堂の四天王像,法隆寺食堂の梵釈四天王像などがある。 奈良時代には塑像は摂(しよう),埝(てん)と呼ばれ,その技法は心木の上に粗いものから細かいものへと,塑土を2~3層に分けて塑形し,彩色することではいずれも共通しているが,像によって心木の構造はさまざまである。すなわち小型の法隆寺五重塔塑像(像高20~50cm)では,座板の上に比較的単純な形の柱状の角材を1本立てて心木とし,腕,指など細部は銅線などを芯に用いる。…

※「摂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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