摩御厨(読み)つくまのみくりや

日本歴史地名大系 「摩御厨」の解説

摩御厨
つくまのみくりや

筑摩(入江内湖)周辺一帯に生活する漁労民が、贄人として供御の魚類を貢進した宮内省内膳司の料所。近江国内にはほかにも御厨が設定されていたが、史料上では一番古くから登場する(→琵琶湖。延暦一九年(八〇〇)五月一五日の太政官符(類従三代格)に「つく摩御厨長一人」とみえ、大膳職から内膳司に改隷されている。「延喜式」内膳司によれば近江国は年料として煮塩年魚二石・鮒・鱒・阿米魚・氷魚を納め、「醤鮒・鮨鮒各十石、味塩鮒三石四斗」を筑摩御厨が造進した。そして近江・和泉紀伊淡路若狭の五ヵ国の御厨が結番して、決められた日に御贄を貢進することになっていたが、近江国御厨は卯の日に御贄を担当した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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