摺・刷・摩(読み)すり

精選版 日本国語大辞典 「摺・刷・摩」の意味・読み・例文・類語

すり【摺・刷・摩】

〘名〙 (動詞「する(摩)」の連用形の名詞化)
絹布顔料、または染料で模様をすりつけること。また、そのような布の衣。板木型紙に、草木・花鳥などを彫りきざみ、古く、木型の場合は、ひめのりを布に包んで木型の上に打ちつけ、のりをつけ、その上に布をかけて、よくおしつければ木型の所が高くなる。それを花や藍葉を包んだ布でこすると高い所が染まって模様があらわれる。型紙は、それを布に当てて、染料をつけた刷毛(はけ)でする。花摺、島摺、もじ摺などの種類がある。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「女房車ども、かんの殿の上臈三車は紅のうちあはせに、はじの織物、次々のは、朽葉、かうかさねいろのすりの大海の裳なり」
② 印刷すること。また、印刷物やそのできぐあい。
※御湯殿上日記‐文明一五年(1483)九月一日「りしやう院よりあなひ一すりまいる」
③ 米の籾をこすって殻を除くこと。また、その米。
※長宗我部氏掟書(1596)五五条「年貢之事、惣別可摺」
④ 「すりばかま(摺袴)」の略。
※海人刈藻物語(1271頃)三「頭黒らかに生ひて、すりなど着て、山伏葛城(かつらぎ)行者などのやうなる人」
三味線奏法の名で、左の指を使って絃を上または下に摺(す)技法のこと。こき

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