播州平野(読み)バンシュウヘイヤ

関連語 風知草

日本大百科全書(ニッポニカ) 「播州平野」の意味・わかりやすい解説

播州平野(宮本百合子の小説)
ばんしゅうへいや

宮本百合子(ゆりこ)の中編小説。1946年(昭和21)3月から47年1月まで、『新日本文学』『潮流』に4回に分けて発表した。8月15日を軍国主義国家権力と力を尽くして戦った自分たちの勝利として深い感慨を込めて描き出し、戦時下の暗い日々を回想している。網走(あばしり)刑務所の夫のもとへ行こうとして、福島で8・15を迎えたひろ子は、義弟が広島で行方不明になったため、山口県の夫の実家に赴く。そしてふたたび東京を目ざして、洪水で鉄道が不通の播州平野を一歩一歩あるいて行く。敗戦直後の日本を縦断して、戦争が国土だけでなく、人の心をも無残に破壊した様相を如実に描き出し、同時に、この廃墟(はいきょ)に芽を出した新しい生命の息吹に鮮明な表現を与えた。

伊豆利彦

『『播州平野・風知草』(新日本出版社・新日本文庫)』


播州平野(姫路平野)
ばんしゅうへいや

姫路平野

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の播州平野の言及

【播磨平野】より

…兵庫県南西部,播磨灘に臨む肥沃な平野。姫路平野,播州平野ともいう。内陸深くまで入りこんでいた海が,中国山地を南流する加古川,市川,揖保(いぼ)川などによって埋積されてできた低地の総称で,東西約40km,南北約10kmにわたって広がる。…

※「播州平野」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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