不通(読み)ふつう

精選版 日本国語大辞典 「不通」の意味・読み・例文・類語

ふ‐つう【不通】

〘名〙
① (━する) 通じないこと。また、かよったり通信したりしないでいること。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※日本書紀兼倶抄(1481)「上古は天人龍の三国が語がよう通ぞ。日本の中でも不通ぞ」
雪国(1935‐47)〈川端康成〉「汽車が度々不通だったらしいね」 〔枕中記〕
② (━する) 縁を切ること。交際を絶つこと。絶縁絶交
日葡辞書(1603‐04)「ハルバル futçǔni(フツウニ) マカリスギ ソロ」 〔春秋公羊伝‐荘公一〇年〕
③ (形動) 物事をよく知らないこと。その道に通じていないこと。心得がないこと。不案内であること。また、そのさま。
洒落本通言総籬(1787)一「おいらはあの土地におひてはふ通だよ」
④ (形動) (「ぶつう」とも) 不粋(ぶすい)であること。また、そのさま。やぼ。
※洒落本・青楼楽美種(1775)隣座敷「隣へ来ているやつなんざアとんだふつうなやつだぜヱ」

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デジタル大辞泉 「不通」の意味・読み・例文・類語

ふ‐つう【不通】

通じないこと。交通・通信などがとだえること。「大雪国道不通になる」
便りや行き来のないこと。「音信不通
意味などが、通じないこと。わからないこと。「文意不通
孔孟の教も、伝来の初には…一切―のものであったに」〈菊池寛蘭学事始
縁を切ること。交際を絶つこと。
「兵吉一生が間―にさしあげ」〈浄・本朝三国志〉
通人ではないこと。野暮なこと。
「―とも見えず又とびきりの大通とは見えねども」〈洒・通点興〉

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普及版 字通 「不通」の読み・字形・画数・意味

【不通】ふつう

無理

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