操三番叟(読み)あやつりさんばそう

改訂新版 世界大百科事典 「操三番叟」の意味・わかりやすい解説

操三番叟 (あやつりさんばそう)

歌舞伎舞踊長唄。1853年(嘉永6)2月江戸河原崎座初演本名題柳糸引御摂(やなぎのいとひくやごひいき)》。大坂の2世嵐璃珏(りかく)の江戸下りのお目見得狂言として作られた。作詞篠田瑳助,作曲5世杵屋(きねや)弥十郎,振付5世西川扇蔵。初演の際は翁と千歳がゼンマイじかけの人形振り三番叟糸操りの人形振りで,糸のもつれから急回転のあとぶらぶらして,それを後見がさばくくだりが操りの特色。のちに5世尾上菊五郎が演じた時,翁・千歳は人形振りでなく演じ,現在ではこれにならう。三番叟物としては後期の作。
三番叟
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百科事典マイペディア 「操三番叟」の意味・わかりやすい解説

操三番叟【あやつりさんばそう】

長唄所作事。本名題《柳糸引御摂(やなぎのいとひくやごひいき)》。4世杵屋弥十郎ほか作曲。篠田瑳助(さすけ)作詞。1853年初演。前年に大坂で初演された《初櫓豊歳三番叟(はつやぐらたねまきさんばそう)》の改作という。三番叟を糸操りで見せる趣向当初はぜんまい人形を擬した振りを付けるなど,大衆的な舞踊曲として意図された。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「操三番叟」の解説

操三番叟
〔長唄〕
あやつり さんばそう

歌舞伎浄瑠璃外題
作者
篠田瑳助
演者
杵屋弥十郎(4代)
初演
嘉永6.2(江戸・河原崎座)

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世界大百科事典(旧版)内の操三番叟の言及

【三番叟物】より

…1812年(文化9)中村座における仲蔵二十三回忌追善に3世中村歌右衛門が踊った《再春菘種蒔(またくるはるすずなのたねまき)》(長唄,清元)は,この系統をひくもので,〈目出とう栄屋仲蔵を〉のくだりで舌を出すところから《舌出三番叟》の通称で,今日もたびたび上演されている。このような洒落っ気のある三番叟物は,《操三番叟》(本名題《柳糸引御摂(やなぎのいとひくやごひいき)》,長唄)のように操り人形の趣向で踊るもの,《四季三葉草(しきさんばそう)》(清元)のように千歳を女にするものなどがあり,さらには《廓三番叟》(長唄)のように傾城が翁,新造と幇間が千歳と三番になる茶番的な発想まで生まれる。《雛鶴三番叟》は古い長唄曲で女の踊り。…

※「操三番叟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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