コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

放精(読み)ホウセイ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

放精
ほうせい

水生動物の雄が、媒精(授精)のために精子を水中に放出することをいう。同様に、雌が卵を水中に放つのが放卵である。放精によって行われる受精は体外受精であり、交尾などによって受精が雌の体内で行われるのが体内受精である。放精の引き金となる刺激には多様な要素がある。たとえば、自然的な刺激としては、潮の干満、塩分濃度、温度差などのほかに、波などによる機械的刺激があり、また、実験的に放精をおこさせるものとしては、電気刺激や、塩化カリウムなどの塩類溶液の注射が知られている。体内で放精をコントロールする物質としては、カエルや魚類におけるゴナドトロピンや、ヒトデにおける生殖巣刺激物質(GSS)のような、生殖腺(せん)刺激ホルモンの働きが知られている。パロロなどゴカイのなかのある種や、ニッポンウミシダやガンガゼなど棘皮(きょくひ)動物の一部では、満月や新月のような月の満ち欠けに関連した、1年のうちの特定の日の決まった時間に、一斉に放精が行われることがよく知られている。[雨宮昭南]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の放精の言及

【受精】より

…本項では狭義に受精を考えて,それ以前に起こる現象を受精前現象,また以後の現象を受精後現象とすることとする。
[受精の様式と受精前現象]
 水中に住む動物では,両親となる雌雄個体のそれぞれが,周囲の水中に卵子および精子を放出(卵子の場合は放卵,精子の場合は放精という)し,両親の体外で受精が起こる場合が多い。このような受精の様式を体外受精と呼ぶ。…

※「放精」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

鑑定留置

被疑者・被告人が精神障害などで刑事責任能力を問えない可能性がある場合に、精神・心身の状態を鑑定するため、被疑者・被告人を病院などの施設に留置すること。捜査機関が裁判所に請求し、認められた場合に、期限を...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

放精の関連情報