政党法(読み)せいとうほう

百科事典マイペディア 「政党法」の意味・わかりやすい解説

政党法【せいとうほう】

政党の資格要件を明確にし,政党に法人格を与えて,国家が政党の認知を行うための法律。憲法に政党の規定がないため自民党単独政権時代に法制化が検討されたが,〈結社の自由〉(集会結社の自由)との関連で反対論が強く,制定が見送られてきた。しかし,細川護煕(もりひろ)内閣の時に,政党への国庫補助を行う上で政党の資格要件を明確にさせる必要があることから,再検討が進められた。その結果,政党法の制定は見送られたが,政党助成法により国庫補助を受けようとする政党は〈法人格〉を持たなければならないとして,1994年11月に政党法人格付与法が制定された。諸外国では,多くの国が憲法や法律で政党についての規定を設けているが,(1)政党への国庫補助を目的としたもの,(2)政党の資格用件や組織構成などを定めたもの,(3)その両方を含むものなど,に大別される。(1)はフランス,スペインなど欧米に多く,(2)は韓国などアジア諸国に多い。また(3)はドイツの例がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「政党法」の意味・わかりやすい解説

政党法
せいとうほう

政党の政治活動や選挙資金を国庫補助するため、対象となる政党の範囲などを定めた法律。ドイツなどヨーロッパの多くの国が採用している。日本では、戦後、小党乱立を防ぐため規制色の強い法案が検討されたが、野党の反対で日の目をみなかった。だが、1988年のリクルート事件を契機に、政党に対する公的助成(公費補助)の法制化が課題となり、第八次選挙制度審議会は政党法にかわり、補助金の使途を限定しないなど、規制色の薄い公費補助法の制定を答申、94年1月に政党交付金として政党活動に国家援助を与える政党助成法が成立した。同法では交付の対象としての政党の要件などを定めている。

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