細川護煕(読み)ホソカワモリヒロ

デジタル大辞泉 「細川護煕」の意味・読み・例文・類語

ほそかわ‐もりひろ〔ほそかは‐〕【細川護煕】

[1938~ ]政治家。東京の生まれ。旧熊本藩主細川家当主。新聞記者を経て昭和46年(1971)自民党から参議院議員に。同58年、熊本県知事。平成4年(1992)日本新党を結成し参院選当選翌年衆院選に鞍替え出馬し当選。同党と新生党社会党公明党民社党など8党派の連立政権首相となり自民党を下野させた。同6年、金銭スキャンダルに追われ首相を辞任。→羽田孜

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百科事典マイペディア 「細川護煕」の意味・わかりやすい解説

細川護煕【ほそかわもりひろ】

政治家。東京都生れ。上智大卒。旧熊本藩主の家に生まれ,母方の祖父は近衛文麿。新聞記者,参議院議員自由民主党),熊本県知事を経て,日本新党を結成し代表,再び参議院議員。1993年衆議院議員,自民党分裂後に非自民の7党(8会派)連立内閣首班となり,細川内閣を組閣。1994年4月,株の不正取引疑惑,連立与党の足並みの乱れなどで退陣。1994年新進党結党に参加するが,1997年離党,小政党フロムファイブを結成して代表。1998年の民主党を柱とする野党合同(新党結成)に尽力したが,新〈民主党〉結成後議員辞職。その後は陶芸家,茶人,公益財団法人永青文庫理事長としての活動を続け,2012年一般財団法人〈瓦礫を生かす森の頂上プロジェクト〉を設立,理事長となった。この活動は東日本大震災で壊滅的打撃を受けた青森県から福島県の沿岸部に震災で発生した瓦礫を用いた盛土を築き常緑広葉樹を植樹するというユニークな復興支援活動として注目された。政治とのかかわりは民主党政権時代の代表選挙で小沢一郎支持を表明したことと,小沢と野田佳彦の会談を仲介したことがあるとされているが,公的な場面に基本的に立つことはなかった。2014年2月の東京都知事選(猪瀬直樹都知事が選挙資金問題で任期途中で辞任したことにともなう)に際して,細川は反原発を掲げ,3.11福島第一原発事故以降同じく反原発を提唱する小泉純一郎元首相の応援を得て立候補を表明した。また反原発を主要な政策課題とし,共産党・社会党などの支援を受ける宇都宮健児が立候補し,原発推進対反原発・脱原発の争点化が期待された。市民運動団体による,細川陣営と宇都宮陣営の統一のこころみは成らず,反原発・脱原発の議論も活性化しないまま,自公推薦候補の舛添要一元厚生労働大臣(自身は〈脱原発〉と発言)が圧勝した。脱原発・反原発運動にとっては,原発をめぐる議論が選挙で争点化することのない日本社会の現実が再びつきつけられることとなった。→細川護煕内閣
→関連項目小沢一郎行政改革自由民主党新生党新党さきがけ政党法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「細川護煕」の意味・わかりやすい解説

細川護煕
ほそかわもりひろ

[生]1938.1.14. 東京
政治家。旧熊本藩主細川家の第 18代当主。 1963年上智大学法学部卒業後,朝日新聞社に入社。約5年の記者生活を経て 71年7月の参議院全国区で初当選。自民党では田中派に属し,大蔵政務次官,国体委員長を歴任する。2期 12年ののち,83年に熊本県知事に当選。「日本一づくり運動」などのユニークな県政を行うが,みずから3選不出馬を表明して引退。 91年に行政改革審議会の「豊かな暮らし」部会長に就任したのち,日本の国家行政システムの抜本的改革の必要性を痛切に感じて新党結成を決意。 92年5月に雑誌誌上にて新党宣言を発表,日本新党を結成する。短期間に候補者をそろえて同年7月の参議院選挙にのぞみ4議席を獲得。この議席を足掛りとして政権交代の実現を目指し,93年7月の衆議院選挙に出馬。当人を含めて 31議席を獲得して「連立」のキャスティング・ボートを握り,翌月首相に就任。 94年4月政治資金運用などを追求され辞任。その後,98年には議員を辞職した。祖父は細川護立 (美術史家) ,近衛文麿 (元首相) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「細川護煕」の解説

細川護煕 ほそかわ-もりひろ

1938- 昭和後期-平成時代の政治家。
昭和13年1月14日生まれ。細川護貞の長男。旧熊本藩主細川家18代。朝日新聞記者をへて46年参議院議員。58年熊本県知事。平成4年日本新党を結成し参議院にもどる(通算当選3回)。5年衆議院議員(当選2回)に転じ,8党派の連立内閣をつくり,首相。「政治改革」法を成立させた。のち新進党,フロムファイブ,民政党の結党にくわわる。10年民主党結成に参加するが,直後に議員を辞職。24年後藤新平賞。26年東京都知事選に出馬したが落選。東京出身。上智大卒。

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