日本歴史地名大系 「教安寺」の解説
教安寺
きようあんじ
国道四一一号(旧甲州道中)の南側にある。甲福山安栖院と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。浄土宗甲府五ヵ寺の一つ。永正元年(一五〇四)起立され、開山は教蓮社便誉。便誉は享禄四年(一五三一)死亡した徳川家康の曾祖父信忠の導師を勤め、信忠の安栖院殿泰孝道忠大居士の号により院号がついたという(蓮門精舎旧詞)。信忠は武田氏の保護を受けて当寺に安栖院を営み住したとも伝え、便誉が信忠の葬式場として与えられたのが現在の境内ともいわれる。信忠の宝塔はその後三河へ引取られたという(甲斐国志)。慶長六年(一六〇一)には前年に没した甲府城代平岩親吉の養子となっていた徳川家康の八男仙千代の葬儀に際して当寺の七世寂誉呑宿が導師となり、同一一年には七回忌法会を修した(同書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報