教育担当副学長(読み)きょういくたんとうふくがくちょう(その他表記)vice-chancellor for academic affairs; vice-president of educational affairs

大学事典 「教育担当副学長」の解説

教育担当副学長
きょういくたんとうふくがくちょう
vice-chancellor for academic affairs; vice-president of educational affairs

学長は,学長を補佐する大学執行部の一員として,2000年(平成12)以降多くの大学で置かれるようになった。近年は大学運営の複雑化・高度化と,それに対応する専門的人材の必要性から,担当副学長制(日本)を採用する大学が増え,教育,研究,国際交流,評価,産学連携広報総務財務法務など,必要性に応じて1名から10名以上置く大学もあり,副学長ポストは増加傾向にある。その中で,教育施策や法令改正を通じた大学教育改革の必要性が指摘されるとともに,認証評価等が教育面の評価を重視することから,大学全体の教育状況を的確に把握し,活用できる資源を考慮しながら,全学的な教育改革案をまとめ,教育の質向上の取組みに学内構成員を巻き込む牽引者として,教育担当副学長の役割に注目が集まっている。役割への期待の高まりと要求される職務の高度化の一方,職務を担える人材の希少性が懸念されている。国内外の大学で執行部職の専門職化・流動化が進む中,名古屋大学が2011年に行った調査では,教育担当副学長の約80%が,勤続年数20年以上であった。日本では学内から教育担当副学長の選任に苦慮する大学も多く,各大学で長期的視野に立った育成課題となっている。
著者: 中島英博

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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