精選版 日本国語大辞典 「龍頭」の意味・読み・例文・類語
りゅう‐ず‥ヅ【龍頭】
- 〘 名詞 〙
- ① 龍の頭の形。りょうず。
- ② 特に、釣り鐘を鐘楼の梁(はり)にかけてつるす、龍の頭の形をしたつりて。
- [初出の実例]「鐘龍頭間開見」(出典:御堂関白記‐寛弘二年(1005)九月二八日)
- [その他の文献]〔儀礼注‐特牲饋食礼〕
- ③ 仏具の一つ。幡(ばん)の竿の先につけ、幡をつるもの。金属製または木製。
- [初出の実例]「可レ然之龍頭八つ可レ給候。法服此人数書レ之御方被二相調一候て可レ給候」(出典:高野山文書‐天正二〇年カ(1592か)七月一〇日・興山上人応其書状)
- ④ 兜(かぶと)の前立てに付ける龍の頭の形をした飾り。たつがしら。
- ⑤ 和船の鉄碇の頭の輪になったところ。ここに釻(かん)を入れて碇綱を結びつける。〔今西氏家舶縄墨私記(1813)〕
- ⑥ 懐中時計・腕時計のねじを巻くためにつまむ部分。
- [初出の実例]「カギマキ、龍頭、暦附、及び金銀白銅鉄などの」(出典:風俗画報‐一二五号(1896)人事門)
- ⑦ 水道などの蛇口。
- [初出の実例]「中に上水の櫃を安んじ、竜頭(リューヅ)を施して汲むに便にす」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
- ⑧ ⇒りょうとう(龍頭)
たつ‐がしら【龍頭】
- 〘 名詞 〙
- ① 龍の頭の形をしたもの。兜(かぶと)の前立物、または葬礼の旗頭などにつけて飾りとする。
- [初出の実例]「新田左兵衛佐義興火威の鎧に龍頭(タツカシラ)の五枚甲の緒を縮(しめ)て」(出典:太平記(14C後)三三)
- 「今は高原のほとりにましまして、龍頭(タツカシラ)をかづき」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)二)
- ② 近世和船の船首材である水押(みよし)の別称。特に龍の頭をかたどったものではないが、関船や弁財(べざい)船などのように水押の先端を長く突き出した場合に呼ぶことが多い。
- [初出の実例]「舟くらがりて落る山かぜ たつかしら見ゆるよりすは花の雨」(出典:俳諧・望一千句(1649)一)
- ③ =たつ(龍)の口[ 一 ]
- [初出の実例]「竹竜とは、竹を以てたつがしらを作て水を上るぞ」(出典:寛永刊本江湖集鈔(1633)一)
りょう‐とう【龍頭】
りゅう‐とう【龍頭】
- 〘 名詞 〙
- ① =りょうとう(龍頭)
- ② =しょうこうてん(昇交点)
- [初出の実例]「月道内外合界〈略〉の処は、年圏に交る。之を交と云ふ。太陰東行〈略〉して、南半規より北半規に入るの交を竜頭と云ひ、北半規より南半規に出るの交を竜尾と云ふ」(出典:遠西観象図説(1823)中)
- ③ ⇒りゅうず(龍頭)