敬具(読み)ケイグ

関連語 名詞 実例

精選版 日本国語大辞典 「敬具」の意味・読み・例文・類語

けい‐ぐ【敬具】

  1. 〘 名詞 〙 つつしんで申しあげるの意で、手紙の終わりに添えることば。敬白。
    1. [初出の実例]「暖気催候はば参上度仕候。敬具」(出典:解良叔問宛良寛書簡(1758‐1831)正月二〇日)

敬具の語誌

夏目漱石の「吾輩は猫である」では、「敬具」が「拝啓」と照応して用いられているが、大町桂月の「書翰文作法」(一九〇六)に「普通、用を弁ずる手紙は、前に、拝啓か、粛啓かを用ゐて、後に、頓首ぐらいでも用ゐれば、それで十分存候」とあり、「拝啓」と照応して用いるということも、必ずしも一般的ではなかったものと思われる。「敬具」が、一般的な書止めの語となり、「拝啓」と照応して用いられるようになったのは、大正期頃からか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android