証券取引所が定める上場廃止基準に該当するなどして、上場廃止が決定された銘柄。
上場銘柄が上場廃止基準に該当するおそれのある場合、または証券の発行主体が上場廃止を申請した場合、証券取引所はその内容について審査を行うが、審査中の証券はまず監理銘柄に指定される。そして、審査の結果、上場廃止と決まった場合には、改めて整理銘柄に指定されることとなる。整理銘柄に指定された証券は、原則として1か月の猶予期間を経て上場廃止となるが、それまでの間は整理銘柄として引き続き市場での売買が可能である。ただし、整理銘柄に指定された株式については、信用取引を行うことができなくなる。
上場廃止に先だって整理銘柄へ指定する制度が設けられているのは、上場廃止の決定と同時に証券取引所での売買が停止されると、その瞬間に投資家は当該銘柄についての実質的な売買機会を失ってしまうからである。このため、整理銘柄に指定することで、当該銘柄が上場廃止になることをあらかじめ投資家へ周知させ、広く投資社会に注意を喚起すると同時に、一定期間内は市場での取引を可能とすることで、上場廃止に備えた処分売りの機会を投資家へ提供しているのである。ただ、整理銘柄に指定されると、上場廃止までの間に、ときとして投機売買の対象とされるケースも少なからず認められる。
なお、完全子会社化が実施されるようなケースでは、整理銘柄への指定を経ることなしに、ただちに上場廃止になることもある。
[高橋 元 2017年12月12日]
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