文芸首都(読み)ぶんげいしゅと

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文芸首都」の意味・わかりやすい解説

文芸首都
ぶんげいしゅと

文芸雑誌。 1933年1月~70年1月。保高 (やすたか) 徳蔵新人育成を目指して創刊,編集した雑誌で,その個人的努力で維持された。上田広の『黄塵』,芥川賞を受けた半田義之の『鶏騒動』や芝木好子の『青果の市』などを掲載,戦後は,北杜夫,なだいなだ,佐藤愛子,中上健次ら多くの新人作家の檜舞台となった。

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世界大百科事典(旧版)内の文芸首都の言及

【同人雑誌】より

…文芸,社会思想がたがいに競い合った明治末年ごろから青年グループによる雑誌の刊行がさかんとなり,昭和初年には〈同人雑誌の全盛期〉(高見順)となった。第2次大戦の衰微期をはさんで保高(やすたか)徳蔵・みさ子がつづけた《文芸首都》(1933‐69)は長期にわたる新人発掘の努力で名高い。なお,英米でリトル・マガジンと呼ばれる文芸雑誌の伝統は,非営利という特徴で同人雑誌と共通しているが,既成の作家や評論家の芸術主張を主にしていて,若手の習作などの場ではない。…

※「文芸首都」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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