朝日日本歴史人物事典 「斎藤利綱」の解説
斎藤利綱
戦国時代の武将,歌人。美濃守護代利藤の子。守護代利国(妙純)の弟。明応3(1494)年,斎藤家の権臣石丸利光が兄に背いた際に兄を助け,同4年の正法寺の戦,同5年城田寺の戦で石丸勢を破った。連歌に秀で,『新撰【G7EDF玖波/つくば】集』に入集する。また『実隆公記』によれば三条西実隆に『古今集』『愚問賢注』写本の奥書染筆を請うたり,歌道にたしなみあって,十首歌を詠ずるなど,文武両道の武将であったらしい。故実にも通じ,著書に永正8(1511)年の『家中竹馬記』があり,『土岐家聞書』の作者かともいわれる。
(田渕句美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報