斐太国撰(読み)ひだこくせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「斐太国撰」の意味・わかりやすい解説

斐太国撰
ひだこくせん

岐阜県高山市の名物でおこし一種。一般には穀煎(こくせん)とよばれ、長さ3センチほどの駄菓子のねじりおこしである。飛騨(ひだ)高冷地特産の青大豆(あおだいず)を煎(い)って荒びきし、水飴(みずあめ)で固める際に、ユズサンショウの実、エゴマなどの風味を加え、乾燥させてぱりっとした歯ごたえのあるおこしに仕上げる。高山の菓子ではいちばん古く、1585年(天正13)に金森長近(かなもりながちか)が高山城主になったとき、金森氏について越前(えちぜん)からやってきた菓子職人により、この製法が伝えられた。

 同様の菓子が福井県大野市にあり、「けんけら」という。700年以上も前の菓子とされるが、1692年(元禄5)に金森氏が出羽(でわ)上山(かみのやま)(山形県)に移封されたとき、「けんけら」も同地に伝えられた。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「斐太国撰」の解説

斐太国撰

岐阜県高山市の名物菓子。特産の青ダイズを材料にしたおこし。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android