新井戸跡(読み)しんいどあと

日本歴史地名大系 「新井戸跡」の解説

新井戸跡
しんいどあと

[現在地名]高松市鍛冶屋町

鍛冶屋かじや町南端部にある水神すいじん社の南隣にあった湧泉で、正保元年(一六四四)松平頼重によって設置された上水道の最大の水源。藩政時代は南北三三間五尺五寸・東西八間四尺八寸、主としてはまノ丁から八番はちばん武家屋敷南新みなみしん町以北の町人町一千余戸に竹・木・土の樋(暗溝)を通じて給水し、樋の全長は数十町に及んだ(増補高松藩記)

高松藩上水道の設置は江戸玉川上水布設(承応二年)より九年早く、水戸藩水道の布設(寛文三年)よりも一九年早い。これは香東こうとう川の氾濫原であった高松城下町水害を防ぐため、寛永八―九年(一六三一―三二)生駒高俊が伊勢藤堂家家臣西島八兵衛を用いて川の流れを西寄りに変えたため城下水脈が枯渇したこと、松平頼重入部後、急速に城下町が発展し、水不足をきたしたことによる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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