新興株式市場(読み)しんこうかぶしきしじょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

新興株式市場
しんこうかぶしきしじょう

成長性のあるベンチャー企業などに資金調達の場を提供する目的でつくられた株式取引所。東京証券取引所やニューヨーク証券取引所などの通常の株式取引所に比べ、時価総額や株主数などの上場基準が緩く、創業間もない企業の成長を支援する役割を担う。また、業績が赤字でも上場できる取引所もあり、起業後すぐには黒字化しにくい医薬・バイオなどの業種にも資金調達の機会を提供している。上場後、事業規模が大きくなると、新興株式市場から通常の取引所へ上場の場を移す企業が多いため、大企業へ成長していくための登竜門的な位置づけにもなっている。日本では、1990年代末から全国の証券取引所が新興株式市場を次々に開設し、ベンチャー企業の上場ブームが起こったが、2006年(平成18)に新興株式市場の一つ、東証マザーズに上場していたライブドアによる証券取引法違反事件が起き、さらに上場企業の不正会計や暴力団関与問題が相次いで発覚したことで、新興株式市場の取引は冷え込んだ。
 日本にある新興株式市場(2014年7月末時点)は、1963年(昭和38)開設の店頭市場を前身とするJASDAQ(ジャスダック)(上場企業数859社)のほか、東京証券取引所のマザーズ(1999年開設、上場企業数198社)、名古屋証券取引所のセントレックス(1999年開設、同14社)、札幌証券取引所のアンビシャス(2000年開設、同5社)、福岡証券取引所のQボード(2000年開設、同7社)の五つである。東京証券取引所の上場企業数が2367であるのに対し、新興株式市場の上場企業数はその半数以下にとどまる。
 アメリカにはグーグルやフェイスブックなどが上場する世界最大の新興株式市場NASDAQ(ナスダック)がある。また、アジアでも高い経済成長を背景に新興株式市場が相次いで整備されている。韓国のKOSDAQ(コスダック)は2005年に韓国証券取引所などと合併して海外の新興企業の上場に力を入れているほか、シンガポール証券取引所には2007年にCatalist(カタリスト)、中国の深(しんせん)証券取引所には2009年に創業板という新興株式市場がそれぞれ誕生した。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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