NASDAQ(読み)ナスダック

デジタル大辞泉 「NASDAQ」の意味・読み・例文・類語

ナスダック【NASDAQ】[National Association of Securities Dealers Automated Quotations]

National Association of Securities Dealers Automated Quotations》全米証券業者協会(NASD)が1971年に導入したコンピューターによる株式の電子売買システム。また、このシステムを用いた店頭取引市場のこと。この市場にはマイクロソフトインテル、グーグル、ヤフーアマゾンなどのハイテク・インターネット関連企業が数多く上場している。→ヘラクレス

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「NASDAQ」の意味・わかりやすい解説

NASDAQ
なすだっく

全米証券業協会(National Association of Securities Dealers:NASD)の管理の下、1971年2月から稼働を始めたアメリカ店頭銘柄気配自動通報システムNational Association of Securities Dealers Automated Quotationsの頭文字をとって名づけられた。今日では、このシステムを利用して取引される市場全体をさす呼称として定着している。

 NASDAQでは、マーケット・メーカーとしての証券会社が、取扱い銘柄について売り・買いそれぞれの呼び値(気配の値段)をコンピュータに入力すると、その情報が端末機の画面に示される。投資家はそれらのなかからもっとも好ましいマーケット・メーカーに売買注文を出すことになる。このシステムが稼働したことで、マーケット・メーカー間の競争も促進され、店頭市場における価格形成の透明性が飛躍的に向上した。

 NASDAQは、ナスダック証券取引所(NASDAQ Stock Market, Inc.)により運営されており、同システムはアメリカ最大の店頭銘柄の電子証券取引所(electronic communication network:ECN)となっている。公開基準が緩やかであることから、ハイテク産業などのベンチャー企業にとって魅力ある資金調達の場となっており、投資家に対しても成長企業を発掘するうえで有効な機会を提供している。

 なお日本では、2000年(平成12)5月にNASDと提携したナスダック・ジャパン市場が大阪証券取引所(大証。現、大阪取引所)に開設されたが、その後NASDが日本からの撤退を決めたため、2002年12月以降は「ヘラクレス」に名称変更され、さらに、ヘラクレスは2010年10月にJASDAQに統合された。JASDAQは2013年1月の大証と東京証券取引所(東証)グループとの経営統合に伴い、同年7月以降は東証により運営されていたが、2022年(令和4)4月の東証再編により、新スタンダード市場と新グロース市場へと吸収された。

[高橋 元 2023年1月19日]

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百科事典マイペディア 「NASDAQ」の意味・わかりやすい解説

NASDAQ【ナスダック】

全米証券業協会の管理下で,1971年から運用されている〈米国店頭銘柄気配自動通報システム〉の略称。正称はNational Association of Securities Dealers Automated Quotation。コンピューターによって店頭市場の相場を伝え,端末機を利用して証券の売り買いの価格情報が得られる。店頭市場の透明度を高め,市場発展の原動力となった。2000年5月,ソフトバンクと提携して大阪証券取引所(現在は大阪取引所)にナスダック・ジャパンを開設した。→店頭株JASDAQ(ジャスダック)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「NASDAQ」の解説

ナスダック

全米証券業協会(NASD)によって1971年から開始されたコンピューターネットワークによる証券市場システム。アメリカやヨーロッパ、日本の各ナスダック市場との相互上場市場であり、ハイテク産業などを中心に約5000社が上場している。日本市場だけでなく、アメリカやヨーロッパのナスダック市場の株式売買も可能。各証券会社はネットワークを使って取扱い銘柄の売買気配値を提示する仕組み。投資家はこれを見て一番有利な気配値を提示する証券会社に売買注文を出せる。これにより、マーケットの競争的価格形成が可能になり、投資家の信頼も高まったと言われる。

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知恵蔵mini 「NASDAQ」の解説

NASDAQ

世界最大の新興企業向け株式市場。National Association of Securities Dealers Automated Quotationsの頭文字をとったもの。物理的な立会場はなく、コンピューター・ネットワークを利用して株式を売買する「店頭銘柄気配自動通報システム」で運用されている。管理・運営は全米証券業協会(NASD)。1971年2月8日に、世界初の電子株式市場として証券取引が開始された。2013年6月現在、ハイテク・ベンチャー産業を中心に約5000社が上場している。

(2013-6-3)

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FX用語集 「NASDAQ」の解説

NASDAQ

NASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年に全米証券業協会(NASD)の主催でニューヨークに開設された株式市場で、ハイテク関連企業やインターネット関連企業が数多く上場いるのが特長です。NASDAQで取引されている約5,500銘柄のすべてを時価総額加重平均で算出した指数が「ナスダック総合指数」で、1971年2月5日の株価を基準値100として算出されております。

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株式公開用語辞典 「NASDAQ」の解説

NASDAQ

National Association of Securities Dealers Automated Quotationsの略。日本語での通称は「ナスダック」。NASD(全米証券業協会)が運営するシステムで、店頭銘柄のマーケットメイカーの売買の呼び値を通知するもの。

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世界大百科事典(旧版)内のNASDAQの言及

【店頭市場】より

… 株式店頭市場を活性化するために,83年11月から登録基準の緩和,公募増資基準の新設,アメリカのマーケット・メーカー制度にならった登録銘柄ディーラー制度(TD制度)の導入,などを骨子とする改善措置が実施された。アメリカの店頭市場はNASDAQ(ナスダツク)(店頭銘柄気配自動通報システムNational Association of Securities Dealers Automated Quotationの略)によりたいへん活況を呈している。NASDAQはマーケット・メーカーの買呼値と売呼値が,証券会社や投資家のコンピューター端末に即座に表示されるシステムであるが,またこのシステムによって取引されるアメリカの店頭市場そのもののこともいう。…

※「NASDAQ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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