新茶屋(読み)しんちやや

日本歴史地名大系 「新茶屋」の解説

新茶屋
しんちやや

[現在地名]鳥取市西品治

鳥取城下新品治しんほんじ町に続く伯耆街道沿いの町並。品治村の農民が出茶屋を営み、しだいに集落を形成するに至った(因幡志)寛文大図(倉田八幡宮蔵)には当地民家は描かれておらず、その後に人家が集まったとみられ、「鳥府志」では市街のような繁盛ぶりと伝えている。町場化したため、江戸時代中期以降に品治村(下品治村)から分離したが、完全な町立てはなされず町庄屋管轄下にあって町裏として取扱われた。「在方諸事控」では宝暦一四年(一七六四)町分新茶屋ちようぶんしんちややとみえるのが早い。町分とは在構のうちで町庄屋支配を受ける地域のことで、当地は各所に散在する町分の中心地としての役割を与えられ、「在方諸事控」に「町庄屋構血判人不残新茶屋根帳ニて、同所目代引請ニて」とあるように、小西谷こざいだに村を除いたすべての町庄屋管轄下の人別を取扱った。文久二年(一八六二)の時点では鹿野しかの往来(当地付近では古海往来と称する)に面した地域の行徳西前ぎようとくにしまえ川外大工かわそとだいく本浄ほんじよう寺の南の梶川東分かじかわひがしぶん、城下のかわら町周辺の梶川西分など、品治村内で町場化の進んだ地域を所轄区域としている(同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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