方立(読み)ほうだて

精選版 日本国語大辞典 「方立」の意味・読み・例文・類語

ほう‐だて ハウ‥【方立】

〘名〙
① 門・出入口などの両側に、扉の納まりをよくするために立てた小柱、あるいは板。ほこだち。
満佐須計装束抄(1184)一「西の妻切のつまどのきはのほうだてよりは、いま二尺ばかりすぐして」
牛車(ぎっしゃ)(くるまのはた)前後の出入口の左右に設けた手形のついた木。ほこだち。
※満佐須計装束抄(1184)一「車のほうだてのかみ二三寸ばかりより始めてひき出だして」
③ 箙(えびら)の下のほうの鏃(やじり)を差しこむ箱の部分の称。頬立
平家(13C前)七「えびらのほうだて打たたき」
方法をたてること。しかた。
※改正増補和英語林集成(1886)「クニノ オサメカタノ hōdate(ホウダテ)

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デジタル大辞泉 「方立」の意味・読み・例文・類語

ほう‐だて〔ハウ‐〕【方立】

門などに、扉を受けるために両側に立てる小柱または細長い板。ほこだち。
牛車ぎっしゃの箱の前後の出入り口の左右に設けた手形のついた木。ほこだち。
えびらの下の方のやじりを差し込む箱の部分。
高欄の端に突き出て反っている木。
方法をたてること。
「国ノオサメカタノ―」〈和英語林集成

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の方立の言及

【箙】より

…しかし日記,物語類にはなお箙と記して胡籙の意に用い,また箭を盛ったものを胡籙といい,容器のみの場合に箙といったこともあるらしい。
[形状と名所]
 箭を受ける箱を方立(ほうだて)といい,方立に前板・両脇板・背板があり,背板の両端から〈はたて(羽立)〉の蔓(つる)が高く立てられ,上端に高頭(たかかしら)が作られ,はたての間に山道の形に蔓を張り,下方に箭搦(やがらみ),高頭に箭束(やたばね),はたての右に受緒(うけお)の根緒(ねお),左に懸緒(かけお)などの緒所がつけられている。方立の内には鏃(やじり)の先を受ける箭配(やくばり)の櫛形(くしがた)板や筬竹(おさたけ)を張り渡し,方立の前板に角製の蜻蛉(とんぼ)形を飾り付けてあるのが普通である。…

※「方立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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