日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本アカデミー賞」の意味・わかりやすい解説
日本アカデミー賞
にほんあかでみーしょう
1978年(昭和53)に、アメリカ合衆国のアカデミー賞に倣い、映画芸術・技術・科学の発展と、映画界の振興を目的に創設された映画賞。賞の選考は、主として劇映画の製作にかかわる映画人で構成された日本アカデミー賞協会の協会員(約4000名)の投票によって行われる。選考対象は、商業映画館で規定の上映回数・期間を満たした長編劇映画。2011年(平成23)の時点で、作品賞、アニメーション作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優・女優賞、助演男優・女優賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞、外国作品賞の正賞が設けられている。テレビやラジオで中継放送されることもあり、映画ファン以外にも知名度は高い。第1回最優秀作品賞は、『幸福の黄色いハンカチ』(山田洋次監督、松竹)で、主演男優賞(高倉健(たかくらけん)、1931―2014)、助演男優賞(武田鉄也(たけだてつや)、1949― )、同女優賞(桃井(ももい)かおり、1951― )、監督賞、脚本賞(山田洋次・朝間義隆(あさまよしたか)、1940― )を独占した。正賞以外に、初主演・初助演の印象深い俳優を表彰する新人俳優賞、ラジオ「オールナイト・ニッポン」(ニッポン放送)において、視聴者からの投票で選考される話題賞、優れた製作プロダクションに与えられる岡田茂(おかだしげる)賞等がある。
[上田 学]
『『キネマ旬報臨時増刊 映画賞・映画祭データブック』(1998・キネマ旬報社)』