増大する科学技術情報を収集,分類し,必要に応じて迅速かつ適確に提供することを目的として,1957年,科学技術庁の下に設立された政府機関。対外表記はJapan Information Center of Science and Technology,略称JICST。科学社会学者D.プライスによれば,近代科学が成立した17世紀以来,科学技術情報は15~20年間隔で2倍という速さで指数関数的増加を示している。その結果,近年では,世界中で生産され流通している科学技術情報は天文学的な量に達している。このような状況の中で個々の研究者は,多くの情報の中から自分に必要なものを取捨選択するために,多くの時間を割かねばならない。JICSTのような組織が必要とされるゆえんである。JICSTは科学技術の多くの分野について,頻繁に〈文献速報〉を刊行するほか,内外で作成されている科学技術文献のデータベースを用いて,コンピューターによるオンラインサービスも行っている。1996年に新技術事業団(1961年設立)と統合して特殊法人・科学技術振興事業団に改組されたが,2003年独立行政法人・科学技術振興機構となった。
執筆者:成定 薫
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… 原子力開発は多くの人の期待を担ってスタートし,原子力委員会の設置(1956)に続いて,原子力基本法の制定,日本原子力研究所の設立など,平和利用関係一連の開発計画が進められた。57年のソ連邦の人工衛星の打上げ成功を境とする科学技術への関心の著しい上昇を背景として,日本科学技術情報センターの設立(1957),理化学研究所の特殊法人としての再発足(1958)があり,新技術の工業化を促進するため新技術開発事業団が新設(1961)された。また各省試験研究機関の整備と研究体制の強化が進められ,農林省においても61年に付属の試験場の再編成を行い農林水産技術会議が発足した。…
※「日本科学技術情報センター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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