爬虫類鳥盤目のカモハシ竜に属する恐竜。〈にっぽんりゅう〉ともいう。1934年に,サハリン南部(旧南樺太豊原郡)の三井鉱山川上炭坑のグランド工事のとき発見され,36年に長尾巧により報告された。3年後に残りの部分が炭坑の関係者から寄贈され,両者を合わせるとほぼ1体分となった。産出した地層は白亜紀後期の海成層である。体長3.5m大の比較的小型の恐竜で,頭骨は完全でないが,短く,高く,比較的幅広い。頭頂のたかまりはほとんどない。頸椎は強い前凹後凸で,腰椎は両凹型である。肩甲骨はまっすぐで細長い。左後肢はほぼ完全にそろっている。大腿骨,脛骨,腓骨はほとんど同じ長さである。V字骨がよく発達する。原標本は北海道大学理学部に保管されている。
執筆者:長谷川 善和
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…アメリカ隊(3回)の次はソビエト隊,ポーランド隊などが次々と発掘を行い,現在では中国の新疆ウイグル地区と並んで重要な恐竜産地となっている。南サハリンからはカモハシ竜に属する日本竜Nipponosaurusが1934年に発見され,長尾巧が記載した。日本列島では長崎県西彼杵郡高島町三菱高島礦業所二子立坑の地下917m地点の砂岩層中からカモハシ竜の上腕骨が1962年に出たと報告されている。…
※「日本竜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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