日本高僧伝要文抄(読み)にほんこうそうでんようもんしょう

改訂新版 世界大百科事典 「日本高僧伝要文抄」の意味・わかりやすい解説

日本高僧伝要文抄 (にほんこうそうでんようもんしょう)

東大寺尊勝院主宗性(そうしよう)が,1249年(建長1)から3年を要して先行の伝記類より抄録した日本高僧伝。縦31.2cm,幅25.4cmの大型袋綴本3冊よりなる。3冊ともに奥書があり,〈先賢の遺徳を偲び,後昆の修学を勧めんが為〉に編集書写された。巻一には婆羅門僧正菩提僊那),弘法大師(空海)など9伝,巻二には伝教大師(最澄),慈覚大師(円仁)など天台宗の高僧伝7伝を,巻三には護命僧正,明詮(みようせん)伝などのほかに,今日完本の伝存しない《延暦僧録》巻一,二,五より,鑑真,道璿どうせん),思託,聖徳太子,天智天皇,文室浄三(ふんやのきよみ),石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)など24人の僧俗の伝記を収録している。《元亨釈書》に先行する僧伝として著名で,宗性はこの《要文抄》からさらに要文を抽出して《日本高僧伝指示抄》1冊を作成し,検出の便をはかっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本高僧伝要文抄」の意味・わかりやすい解説

日本高僧伝要文抄
にほんこうそうでんようもんしょう

東大寺の宗性が建長1 (1249) ~3年に著わした,日本の高僧の最古伝記集。3巻。日本仏教史上きわめて貴重な資料を含んでいる。

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