日神社(読み)にちじんじや

日本歴史地名大系 「日神社」の解説

日神社
にちじんじや

[現在地名]白浜町十九渕

十九渕つづらふち伊勢いせ谷に鎮座する。近世富田とんだ荘一二ヵ村の産宮で、もとは若一にやくいち王子権現と称した。祭神天照あまてらす大神。旧郷社。創始は明らかでないが、熊野本宮第四の宮天照大神を勧請したと伝え(続風土記)、社伝は仁安二年(一一六七)九月、熊野別当の後裔吉田少将範秀の勧請とする。天正一三年(一五八五)兵火にかかり、社領も没収されたという。寛政四年(一七九二)の田辺領神社書上帳(田所文書)によれば神体は十一面観音、九尺四方の本殿ならびに表口三間半裏行二間の拝殿と、若宮・稲荷・弁財天の末社をもち、境内山は長六町横二町で、社僧一人、無官の神主一人、禰宜二人・神子一人が社役を勤めていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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