旧派(読み)きゅうは

精選版 日本国語大辞典 「旧派」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐は キウ‥【旧派】

〘名〙
① (形動) 古い流派。昔風の流儀。また、そのさま。古風旧式
破戒(1906)〈島崎藤村〉二一「自分はもう旧派の教育者と言はれる一人で」
② 昔の脚本によって演じる劇。特に、新派劇に対して歌舞伎をいう。旧劇旧派劇
春泥(1928)〈久保田万太郎みぞれ「あれだけの女形さんは旧派にだって…いいえ、いまの旧派の女形の中にはとてもあんな方はをりません」

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デジタル大辞泉 「旧派」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐は〔キウ‐〕【旧派】

古い流儀・流派。昔風のやり方。「旧派歌人
新派劇に対して、歌舞伎のこと。旧派劇。旧劇。⇔新派
[類語]党派派閥新派分派別派

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の旧派の言及

【外光派】より

…後者は,バスティアン・ルパージュJules Bastien‐Lepage(1848‐84),コランなどで,イタリア,ドイツ,ロシアなどにもその影響が及んだ。日本ではコランに学んだ黒田清輝,久米桂一郎によって明治20年代後半(1890年代)にもたらされ,陰影部分に紫を用いたことから紫(むらさき)派,また新派と呼ばれ,それ以前の明治初期以来の洋画家たちを脂(やに)派,旧派と呼んだ。日本の外光派は明治30年代白馬会に結集し,旧派を圧倒して大正期まで日本洋画界の主流を形成した。…

【白馬会】より

…結成の年最初の展覧会を開き,1910年に第13回展を開催して解散した。世間から新派あるいは紫派と呼ばれたこの会は,文芸界の浪漫主義思潮に呼応して勢いを伸ばし,旧派あるいは脂派(やには)と呼ばれた明治美術会を圧倒して洋風美術の主流になった。付属機関として設けられた白馬会絵画研究所が美術家養成に果たした役割も小さくない。…

※「旧派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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