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とう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


とう

中世武士団の存在形態。著名な「武士の党」としては,紀伊国隅田 (すだ) 党,湯浅党肥前国松浦党武蔵七党などがある。惣領制的武士団が惣領を中心に強固な族的結合を示したのに対し,党と呼ばれる武士団には惣領に相当する者が存在せず,独立割拠した弱小武士団が同族的結合をし,党と呼ばれた。このような武士の党は,鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて次第に血縁的結合から地縁的,政治的結合へと推移し,共和的連合形態 (→一揆 ) を結ぶようになった。

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デジタル大辞泉の解説

とう〔タウ〕【党】

利害や目的などの共通性によって結びついた集団。仲間。「をなす」
政治的な主張を一にする人々の団体。政党。「の方針」
中世における武士の集団。平安後期以降、血縁的武士団が発達し、のち、地域的な連合に移行した。武蔵七党松浦(まつら)党など。

とう【党〔黨〕】[漢字項目]

[音]トウ(タウ)(呉)(漢) [訓]なかま
学習漢字]6年
仲間。共通の利害などで結ばれた集団。「党類悪党残党私党徒党
同じ思想を持つ人々のグループ。「党員党規党首解党結党公党政党入党野党与党離党立党
同郷の者や血縁者の集まり。「郷党
仲間を組む。仲間の肩を持つ。「党同伐異不偏不党
[名のり]あきら・とも・まさ

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世界大百科事典 第2版の解説

とう【党】

ある共通点を有する人々の集団をいうが,またとくに中世における分立割拠した弱小武士の集団に対する呼称。大別して,血縁的集団に対してつけられる場合(一族名)と,地縁的集団に対してつけられる場合(居住地域名)の2種類にわけられる。前者の例としては,紀伊国の湯浅党隅田(すだ)氏(党),摂津国渡辺党などがあり,後者の例としては,肥前国の松浦(まつら)党などがある。党の性格は多様で,かつ時代の推移にともなって変化しているため,固定的にとらえることは困難である。

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大辞林 第三版の解説

とう【党】

目的・利害などを同じくする人々の集団。仲間。ともがら。 「 -をなして横行する」
政治的主張を同じくする人々の集まり。政党。 「 -の方針に従う」
中世の武士の集団。鎌倉時代には惣領を中心とした同族的結合であったが、南北朝期頃から地域的結合に変化。武蔵七党・松浦まつら党など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


とう

中世における武士団の一形態。元来、党とは、ともに何事かを行う集団、仲間の意味で、たとえば9世紀末に東国を荒らし回った騎馬の盗賊団は「馬之党(しゅうばのとう)」とよばれたが、平安後期以来武士団が発達するにつれて、ほぼ一定の地域に分布する中小の同族的武士団を党というようになった。その初見は1113年(永久1)『長秋記(ちょうしゅうき)』(源師時(もろとき)の日記)にみえる横山党である。党的武士団としては、武蔵(むさし)の横山党、西(にし)党、村山党、野与(のいよ)党、丹(たん)党、児玉(こだま)党、猪俣(いのまた)党、あるいは私市(きさいち)党、綴(つづき)党などのいわゆる武蔵七党をはじめ、下野(しもつけ)の紀(き)・清(せい)両党、紀伊(きい)の湯浅(ゆあさ)党、隅田(すだ)党、肥前の松浦(まつら)党などが有名である。これらの党は、主として同じ祖先から出た諸氏からなるが、惣領(そうりょう)の統制力は確立せず、構成単位の各家々が比較的対等な関係を保っているのが特色であり、かつ利害を共通にする近隣の他氏をその党に加えて地域的連合に移行する傾向があった。鎌倉中期の湯浅党の構成員などの状況がそれを示している。したがって、武蔵の諸党や松浦党のように構成員の諸氏が数郡にまたがり、さらに隣国にまで発展したような場合、党全体の統一行動はほとんどみられなくなり、小地域ごとのグループに分かれて行動した。こうして鎌倉後期ないし南北朝期になると多くの党は連合体としての実質を失い、かわって南北朝・室町時代には盟約関係による国人一揆(いっき)がおこった。[小川 信]

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世界大百科事典内のの言及

【同名衆】より

…室町時代末期,同じ苗字を持ち行動をともにした武士の集団。平安時代の後期から鎌倉時代にかけて,武士は惣領を中心に武士団を形成し,中には一族がという組織を作ることもあったが,室町時代になると党結合は弱くなり,規模もしだいに小さくなり,それとともに党にあたる語にも衆という語が用いられるようになった。たとえば戦国時代では,美濃三人衆,山家三方(やまがさんぼう)衆,九一色(くいしき)衆,武川(むかわ)衆,那須衆,三好三人衆等の衆組織が有名である。…

※「党」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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