明眼院(読み)みようげんいん

日本歴史地名大系 「明眼院」の解説

明眼院
みようげんいん

[現在地名]大治町馬島 北割

五大山と号し、天台宗本尊薬師如来。「尾張志」によれば、延暦二一年(八〇二)聖円の開基で、もとは蔵南ぞうなん坊といい一八坊の大伽藍であった。その後慈恵大師・源信僧都などの巡錫により栄えたが、元弘・建武の乱の兵火で焼失した。延文一―二年(一三五六―五七)清眼僧都が堂舎の大半を再建造営した時、眼科の秘法を薬師如来の霊夢から授かり、歴世の僧がこの秘法を相伝した。藩祖徳川義直の日録「源敬様御代御記録」(徳川林政史蔵)によれば、寛永九年(一六三二)後水尾天皇の女三宮の眼病を治癒した功により明眼院の称号を与えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の明眼院の言及

【大治[町]】より

…濃尾平野にあって米作のほか,キュウリ,ダイコンなどの野菜やミカンなどの果樹の栽培が盛んであったが,名古屋市に隣接することから,近年住宅建設や金属,機械,繊維などの工場進出が活発で,人口は増加を続けている。馬島に天台宗の名刹(めいさつ)明眼院(みようげんいん)があり,江戸時代には眼病治療所として知られ,入院寮51部屋を数えたという。【萩原 毅】。…

※「明眼院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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