時務報(読み)じむほう(その他表記)Shí wù bào

改訂新版 世界大百科事典 「時務報」の意味・わかりやすい解説

時務報 (じむほう)
Shí wù bào

中国,清末の雑誌。清朝弾圧強学会とその機関誌《強学報》が禁止されたのち,黄遵憲などの援助を得,汪康年経理として上海租界で創刊された。1896年(光緒22)旧暦7月1日から98年6月21日まで,旬刊で計69冊が刊行。毎号およそ20余ページ,3万~4万字からなり,立憲君主制を鼓吹する論説時事,外国新聞雑誌の翻訳などを掲載した。97年10月まで主筆をつとめた梁啓超の文章(《変法通議》など)によって,当時の改革主義思想の宣伝に大きな影響力をもった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「時務報」の意味・わかりやすい解説

時務報
じむほう
Shi-wu-bao; Shih-wu-pao

中国,19世紀末に上海で発行された旬刊新聞。光緒 22 (1896) 年7月1日創刊。同 24年6月 21日刊の第 69号まで発行された。汪康年社長梁啓超が主筆で,改革思想を鼓吹,ことに梁の名文多数読者を獲得し,発行部数は1万部以上に達した。同 23年梁が湖南に赴任して以後低調となり,同 24年の停刊後は政府に移管され,『時務官報』となった。

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