晩稲(読み)オシネ

デジタル大辞泉 「晩稲」の意味・読み・例文・類語

おしね【稲】

《「おそいね」の音変化という》稲の、遅く成熟するもの。おくて
「うき身には山田の―おしこめて世をひたすらに恨みわびぬる」〈新古今・雑下〉

ばん‐とう〔‐タウ〕【晩稲】

遅く実る稲。おくて。

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精選版 日本国語大辞典 「晩稲」の意味・読み・例文・類語

おしね【晩稲・稲】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おそいね(遅稲)」の変化した語 ) おそく成熟する稲。おくて。一説に「おしいね(食稲)」の変化した語、または「お」を接頭語とし、稲の意とする。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「秋刈りしむろのをしねを思ひ出でて春ぞたなゐに種もかしける」(出典:散木奇歌集(1128頃)春)

ばん‐とう‥タウ【晩稲】

  1. 〘 名詞 〙 遅く実る稲。おくて。
    1. [初出の実例]「又今年晩稲稍逢亢旱」(出典続日本紀‐天平宝字元年(757)八月甲午)
    2. [その他の文献]〔白居易‐大和戊申歳大有年詩〕

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旺文社日本史事典 三訂版 「晩稲」の解説

晩稲
おくて

稲の品種一つ。➡ 早稲 (わせ) ・中稲 (なかて) ・晩稲 (おくて)

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普及版 字通 「晩稲」の読み・字形・画数・意味

【晩稲】ばんとう

おくての稲。

字通「晩」の項目を見る

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「晩稲」の解説

晩稲
おくて

早稲・中稲・晩稲(わせ・なかて・おくて)

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世界大百科事典(旧版)内の晩稲の言及

【早田】より

…また《名語記》によれば〈早田をわせとなつく〉とある。奈良時代には,すでに熟期によって早稲と晩稲(おくて)の区別があり,《万葉集》には〈早田〉〈早稲〉の語が見えている。平安時代になると,さらに中間の〈なかて(中稲)〉が現れた。…

【早米】より

…〈そうまい〉とも読む。古代律令制でも早・晩の区別があったが,中世成立期になると,〈なかて(中稲)〉が現れ,早稲・中稲・晩稲(おくて)の区別が成立する。早稲の収穫期は,陽暦で8月中旬~9月中旬,中稲は10月上旬~中旬,晩稲は11月上旬~中旬ごろとみられる。…

【南部川[村]】より

…農林業が中心で,とくに南部川沿いの段丘にある南部梅林での梅の生産は,南部町とともに全国一といわれる。江戸末期には埴田(はねた)(南部町)が第1の産地として知られたが,やがて当地の晩稲(おしね),谷口,熊岡(くまか)などが中心となった。約30万本が栽培されており,青梅,また梅干しとして出荷されるほか,開花期には観梅の人々でにぎわい,晩稲の香雲丘(こううんきゆう)からの眺めは〈一目千本〉といわれる。…

※「晩稲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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