暁闇(読み)あかときやみ

精選版 日本国語大辞典 「暁闇」の意味・読み・例文・類語

あかとき‐やみ【暁闇】

〘名〙 「あかつきやみ」の古形
万葉(8C後)一一・二六六四「夕月夜(ゆふづくよ)暁闇夜(あかときやみ)朝影にあが身はなりぬ汝(な)を思ひかねて」

あかつき‐やみ【暁闇】

〘名〙 明け方、月がなく、あたりが暗いこと。また、そのころ陰暦で、一日から一四日ごろまでの夜明け方をいう。あかときやみ。
※続後撰(1251)恋一・七〇三「夕月夜あかつきやみのほのかにも見し人ゆゑに恋ひやわたらむ〈よみ人しらず〉」

ぎょう‐あん ゲウ‥【暁闇】

〘名〙 夜明け方のまだ暗いとき。また、そのやみ。あかつきやみ。
若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉下「歴史の暁闇を打破ることに生甲斐を見出さうとする自分が」

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デジタル大辞泉 「暁闇」の意味・読み・例文・類語

あかつき‐やみ【暁闇】

夜明け前、月がなく辺りが暗いこと。陰暦で、1日から14日ごろまで、月が上弦のころの現象。あかときやみ。
「うば玉の―の暗き夜に何を明けぬと鳥の鳴くらん」〈続後撰・雑中〉

あかとき‐やみ【暁闇】

あかつきやみ」に同じ。
「夕月夜―の朝影にあが身はなりぬを思ひかねて」〈・二六六四〉

ぎょう‐あん〔ゲウ‐〕【暁闇】

夜明け方のほの明るいやみ。あかつきやみ。「暁闇をついて出発する」

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