デジタル大辞泉 「曇らす」の意味・読み・例文・類語 くもら・す【曇らす】 [動サ五(四)]1 太陽・月・空などを曇るようにする。「僕の涙で必ず月は―・して見せるから」〈紅葉・金色夜叉〉2 透明の度合いや光り方などをにぶくさせる。「湯気が鏡を―・す」3 心配や悲しみで、表情などを暗くする。「悲報に顔を―・す」4 考えや思考をにぶくさせる。「私情にとらわれて判断を―・す」5 能で、能面を少しうつむかせる。悲しみ・愁い・嘆きなどの感情を表す。⇔照らす。[動サ下二]「くもらせる」の文語形。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「曇らす」の意味・読み・例文・類語 くもら・す【曇】 [ 1 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙① 曇るようにする。雲がかかったようにする。はっきりしないようにする。[初出の実例]「Inuoluo〈略〉cumorasu(クモラス)、クラクナス」(出典:羅葡日辞書(1595))「炎暑は地平線をくもらしたり」(出典:珊瑚集(1913)〈永井荷風訳〉九月の果樹園)② 顔や声などを、心配そうな、また、悲しげなさまにする。[初出の実例]「寔(まこと)に遺憾至極。残念だ、と声を曇(クモ)らして」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉九)③ 考えなどを不明確なものにする。判断力などを鈍らせる。[初出の実例]「生活における叡智を却って曇らしているような知識は」(出典:人間と真実の問題(1938)〈窪川鶴次郎〉続・島木健作論)④ 能楽で、面をうつむかせる。うれい、嘆き、思慕などの表情を表わす型。⇔照らす。[ 2 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 ⇒くもらせる(曇) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例